「THEハプスブルク」国立新美術館

salomekko2009-12-11

「THEハプスブルク国立新美術館

ブダペスト国立西洋美術館所蔵のルーカス・クラナッハサロメが、日本で見られるとは思ってもみなかった。
私には、一足早いクリスマスプレゼントのよう...。
長生きしちゃったな、とつくづく思う。
サロメの図像、マイベスト3に入る逸品である。


コスチュームの可愛らしさ、小悪魔的な視線、みっちりした全体の質感。
どれだけ画集で眺めていても、
例えば、しっかりと描き込まれた刺繍の盛り上がった糸目まで確認できる喜びは、刷り物では味わえない。
北方のものは、近景も遠景も、細部のどこまでいっても、
ピントがカッチリ合っていて、非常に目の疲れる近視眼的な絵が多い。
じっと見ていると、奥へ奥へと際限なくどんどん吸い込まれていって、
知らぬ間に迷宮へと連れてゆかれてしまう。
快感です。完全ノックアウトでした。


雨の金曜日、仕事帰りに駆けつけて大正解。
期間最終日直前とはいえ、平日金曜夜はほどよく空いていて、
じっくり堪能できる喜びはひとしお。


16世紀から18世紀の、伊、独、西、蘭、フランドルの絵画で、
有名どころをピンポイントでまんべんなく押さえた、
美術の教科書を繰るような展覧会だった....。