2007-01-01から1年間の記事一覧

『谷崎潤一郎犯罪小説集』 谷崎潤一郎著

『谷崎潤一郎犯罪小説集』 谷崎潤一郎著 たとえるなら、静物画のようなミステリーである。 松本清張がアクションペインティングなら、 こちらは、ねっとり、こってりと油を塗りこめてキャンバスを隙間なく埋め込んだ 濃厚な北方系ネーデルランドの静物画なの…

『Dの複合』 松本清張著

『Dの複合』 松本清張著

文子もの「青空娘」増村保造監督 1957年

「青空娘」増村保造監督 1957年

『パリ散歩画帖』山本容子著 フィガロ・ブッ

『パリ散歩画帖』山本容子著 フィガロ・ブックス さすが美術家だけに、画材道具や文房具の性能の違い、 菓子のパッケージやラベルの色使い、 野菜や果物の形状の豊富さなどを、さらっと紹介しているのが興味深い。長年培われたの彼女ならではの経験と感性に…

「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」新藤兼人監督 1975年

「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」新藤兼人監督 1975年 出てくる女優さんの話し方やしぐさや表情のなんともいえない色気に圧倒される。 御歳にしてすでにみなさん50、60はゆうに越えているはずなのに、流麗で密やか。 日本の女の本当の綺麗とはこういう…

「手紙」生野慈朗監督 2006年

「手紙」生野慈朗監督 2006年

『佐藤可士和の超整理術』佐藤可士和著

最初に『佐藤可士和の超整理術』を読んで、 次に『SAMURAI佐藤可士和のつくり方』を読んだ。コドモのころ、坂本龍一と矢野顕子が夫婦だということを知って、 コトモにしてはかなり強烈なショックを受けたものだが、 この夫婦のあり方にも、強さこそ違うもの…

文子もの:「雪之丞変化」1963年

「雪之丞変化」市川崑監督 1963年

『下流社会 第2章 なぜ男は女に“負けた”のか』三浦展著

そないなんでもデータにして見せんでも、 なんとなく、いわゆる、カソーな男・女の行動習慣って、 昔から共通であったっしょ?と思う。 ことさら現代においては...云々と明るみに出さなくても、 暗黙の了解事として認識していたに過ぎなかったものを、 皆の…

「シュガー&スパイス 〜風味絶佳〜 」中江功監督

柳楽優弥と沢尻エリカ、いっぺんに見てみようということで...。 夏木マリが出てくるたんびに、その大仰なせりふまわしとオーバーアクションに いちいち舌打ちするので忙しかった...。 しかし、沢尻エリカって、いいかぁ、って思いながら見てたけど、 なんか…

「山口晃展 今度は武者絵だ!」

最終日にせかせかと駆けつける。 おじいさんに抱かれた少年の、「...できる」っていうところで、 じんなりと、感涙。 ストーリー仕立ての無残之介物語が、 和洋中(!?)自由な画材で漫画の書割りを模すもんで、 ちぃちゃなふきだし文字を読ませられるわ、細密…

『陽暉楼』宮尾登美子著

「玄人の底惚れ」という言葉、発掘! なるほど、こんな言い方があるのかと、思う。 スキだな、いいなぁ、なんか、こういう言い回し。 会社と自宅を往復するだけの生活にも、彩りが出てくる感じ。

『鬼龍院花子の生涯』宮尾登美子著

「なめたらいかんぜよ!」という啖呵、原作にはどこにもなかった...。

『点と線』松本清張著

Back to the Basic ということでもないが...。

文子もの:「口笛を吹く渡り鳥 」1958年

「口笛を吹く渡り鳥 」1958年

脇役万歳:ウィリアム・H・メイシー

ウィリアム・H・メイシー 日曜洋画劇場「セルラー」(2004年)を、なんとはなしに見ていたら、 ある俳優に目ェくぎ付けとなる! あ、「ファーゴ」(1996年)に出てた、とんまな自動車セールスマンだ! やっぱりここでも、サエない巡査部長役ですか、と飛び上がり…

サロメフリーク

ティツィアーノのサロメが来る! ふるえるほど、うれしい...。

『ゼロの焦点』松本清張著

『ゼロの焦点』松本清張 古典に還ろうということで、ゼロの焦点...というわけでもないが。日本海側の、裏日本のテイストてんこ盛り。 これを機にサスペンス劇場で崖が定番となったとかならぬとか...さすが古典だけあって、現代ではまったく通用しないしきた…

『天城越え』松本清張著

『天城越え』松本清張著 田中裕子主演の映画のイメージの方が強いものの、 ついに原作を読む気になる。その昔、テレビの映画放送で見たのだと思うが、 映像の方がやっぱり過剰なんだ。 田中裕子の妖しさだけが浮き彫りのように わたしの幼心にバチーンと強烈…

「ラヴェンダーの花咲く庭で」2004年

「ラヴェンダーの花咲く庭で」2004年 この映画は私にとって、 人生は燃焼しきらないといけない....という警告のような、 恐ろしい恐ろしい映画だった。 美しい田園風景がそれだけにかえって残酷で...。 何かをやりすごした人の余生とは、かくも残酷な暇つぶ…

『吉原手引草』松井今朝子著

自分が初めて書いた小説は、書簡形式だった。 なんでかって、そりゃあ、楽だから。 3人称で外堀埋めながら、周りに気い配りながら描写するより、 1人称のなりきり描写の方が俄然、楽でしょう、 という浅はかな動機ゆえのものだったが、 やっぱり感情移入し…

「ファーゴ」1996年

「ファーゴ」1996年

文子もの:「赤線地帯」

「赤線地帯」1956年 若尾文子がスキである。 まだティーンのころ、母親が、なにげなく口にした批評がそのまま、 私のアヤコびいきの根源になってしまった...。 「(ワケあり結婚会見の時)この人は、余計なことを一切言わなかったんだ。たいした女なんだよ。」…

私の映画生活、ふたたび!

映画三昧 J:COMに入会してはや3週間。 見たい映画を見るのではなく、 見られる映画をかたっぱしから見ていく、という、 学生時代のような映画の味方ができるようになる。もう、こんなに見た。すこしづつ感想をアップしようか...。 「座頭市と用心棒」?年 三…

気に入った、この娘。

気に入った、この娘。 なにがどうということはないが、気に入った、この娘。 それだけ...。 ↓ http://www.asahi.com/sports/update/0119/005.html 学校の校則がどーの、社会のルールがこーのとか、 縛りがきつくて個性や尊厳が蹂躙されますなんてありえない…

『潤一郎ラビリンス〈4〉近代情痴集』谷崎潤一郎著

■『潤一郎ラビリンス〈4〉近代情痴集』谷崎潤一郎著 『彼女がその名を知らない鳥たち』を読んでいるそばから、読み終わったら次はこれだとなぜかずっと気になっていた本。 谷崎にとっては渾身の長編というんではない短編の寄せ集めにすぎない文庫だが、なん…