2009-01-01から1年間の記事一覧

「THEハプスブルク」国立新美術館

「THEハプスブルク」国立新美術館 ブダペスト国立西洋美術館所蔵のルーカス・クラナッハのサロメが、日本で見られるとは思ってもみなかった。 私には、一足早いクリスマスプレゼントのよう...。 長生きしちゃったな、とつくづく思う。 サロメの図像、マイベ…

『女36歳からでもキャリアは作れる』 辻三千代

『女36歳からでもキャリアは作れる』 辻三千代 人生街道には、計画通りなんていう道はないのだと仮定すれば、 王道でも、裏街道でも、ショートカットでも、とにかくも、 そうなっちゃった道を力いっぱい走り抜けることこそが、 大切なのかもしれない。女36歳…

『明智左馬助の恋』 加藤廣

『明智左馬助の恋』 加藤廣 信長に仕えるツートップの出世争いを、 明智の息子がハラハラしながら見届けたお話し。 要所要所をきっちりおさえるだけの要領のよい秀吉に対して、 万事手抜きのできない一途で几帳面な仕事ぶりの光秀の対比がおもしろい。 ここ…

『幸せの作法 働く女性に贈る61のヒント』 坂東眞理子

『幸せの作法 働く女性に贈る61のヒント』 坂東眞理子 冒頭の「幸運を幸福と勘違いしてはならない」というセリフ、 女性にとっては、けだし名言である。 この著者にとって、『女性の品格』がタテマエなら 『幸せの作法』はまったくのホンネなのではないだろ…

『謎手本忠臣蔵』 加藤廣

『謎手本忠臣蔵』 加藤廣 昔の人の、けじめのつけ方の、なんとあざやかなこと。 大事なことはうやむやのまま闇に葬っているにもかかわらず、 その決着のつけ方、オチのつけ方の手際があまりにも潔いばかりに、 あっ!とオドロいている隙に袖から幕がタァ〜っ…

「未来を写した子どもたち」ロス・カウフマン監督 2004年米

「未来を写した子どもたち」 ロス・カウフマン監督 2004年米 別に、売春窟の子供たちだからといって、 ことさらにかわいそうということはないのだろう。 新興国の何不自由のない子供たちだって、 人生の中で「何か」を見つけられないまま、 不遇な一生を送ら…

『信長の棺』 加藤廣

『信長の棺』 加藤廣 へぇ〜、信長の遺体って、見つかってないんですか。 ってゆーくらい歴史に疎い私、歴史をロマンとしてではなく、 サラリーマン社会の縮図としてしか読めない下世話な自分が 少々情けなくもあるが、あれ?もしかしてこういうことは、 言…

「デジカメ 変わる競争軸(上)増える画像、ネットで処理」

「デジカメ 変わる競争軸(上)増える画像、ネットで処理」 日経産業新聞 2009.9.7(月)付 記事 すごい! カメラもクラウドのデバイスのひとつになるかもだって! 年々増え続けるデジカメの画像データ。 2009年のデジカメ撮影回数(ショット数)は5年前の2.3倍に…

NHK「グレングールド 鍵盤のエクスタシー」

NHK「知る楽:こだわり人物伝 グレングールド 鍵盤のエクスタシー」 疲れて帰宅して、パッと点けたテレビから、グールドの音色。 改造したピアノにぺったり張り付いた猫背姿のグールド。 まるで人馬一体のケンタウロスみたいだ。 スタジオの照明まで味方につ…

『秀吉の枷』 加藤廣

『秀吉の枷』 加藤廣 今年の夏休み本。 普段読まないものをということで。 成り上がり者の立身出世物語....じゃあ全然なく、 ミステリー仕立てでトントンと話が進んでゆく。 さすが、もとビジネスマンだけあって、歴史小説にありがちな 壮大なロマンとか一方…

『すずしろ日記』 山口晃

『すずしろ日記』 山口晃 なんでもない夫婦の日常まんが。 でもこの御方は、稀代の現代アーティスト....なハズ。 天才と狂気は紙一重だと、 西欧の美術史を少しでもかじってきた人間なら、そう思ってる。 しかし。 天才と凡人も、あんがい、紙一重、 なので…

『チーム・バチスタの栄光』 海堂尊

『チーム・バチスタの栄光』 海堂尊 「ロジカルモンスター」白鳥ってわりにはそんな ロジカルでもないような.....。 職場で一刀両断、できる器量のない人間がたまにやって 収集つかなくなるのが、世の常だとすれば、 まあ、フツーに面白かったということか。…

『春の雪 豊饒の海(一)』 三島由紀夫

『春の雪 豊饒の海(一)』 三島由紀夫 ここのところのマイブーム、 BTTB(バック・トゥ・ザ・ベーシック)ということで、 調子にのって読んでみた。 三島は、この4部作だけ、なぜか読んでいなかったので...。 でも、なんだか、ぜ〜んぜんっ、よくないの。 わ…

『雪国』 川端康成

『雪国』 川端康成 デキそーでデキない微妙な間合いの、 50代男と20代女の、呆けた会話が、実にいじましい。 小バカにしてみせ、スネてみせ.....。 なるほど、これが新感覚派ですか。 どうってことない人生の、ほんのある一瞬間を、 矛盾も破綻もそのままに…

NHKトップランナー「映画監督 西川美和」

NHKトップランナー「映画監督 西川美和」 なにしろ、前作「ゆれる」がとびっきりよかったし、 オダギリジョーに「カントクって変態ですよね」とか言われてるし、 真木よう子をあんな風に使うところも、いやらしくて、 そもそもがオダジョー目当てで劇場に入…

『古都』 川端康成

『古都』 川端康成 キリッとした文章で、例えるなら、端麗辛口な趣き。 逆にストーリーの方は、京都の地縁と親子の奇縁が錯綜した複雑なテーマ。 あまりにものどごしがするするしているので、 え?なんて?って、ついつい後戻りしつつ辿らなければいけないの…

宮尾登美子ザンマイ!

『櫂』 宮尾登美子 『春燈』 宮尾登美子 『朱夏』 宮尾登美子 やわやわとした和文脈にからめとられて、 ココ最近はずぅ〜っと宮尾文学三昧。 文体もそうだが、この人の紡ぐ自伝的ストーリーも、同じように、 なんともしぶといはがゆさをたたえていて、 それ…

『向田邦子との二十年』 久世光彦

『向田邦子との二十年』 久世光彦 『向田邦子の恋文』を数年前に読んだとき、 そうか、そうだったのか、向田邦子、ヤルじゃないか!と思ったものだ。 だーぁれにも言わない...のは、心意気というほど強いものでもなく、 かといってセンチメンタルに思いつめ…

「シッコ SiCKO」 マイケル・ムーア監督 2007年米

「シッコ SiCKO」 マイケル・ムーア監督 2007年米 もう、ホンマに、ウチ、これイジョー、アメリカはんのこと、 キライになりとぉないのんどすぅ。せやかて、かの国は、なんで、こないな、 アホみたいなこと、なってしもてんねやろぅ。誰かぁ、助けておくれや…

「NGN、将来像見えず」

「NGN、将来像見えず」 日経産業新聞 2009.4.1(水)付 記事 あ!NTTがIIJにガンつけられてる! 「そもそも世界で日本だけというサービスを始めるべきではないっ!」笑 久々に、満員電車内、脳内で血流がドドッと上昇するのを ひとり静かに感じました。 なんか…

『恋文の技術』  森見登美彦

『恋文の技術』 森見登美彦 春ですね。 ということでメランコリックにジャケ買い、一冊。 人は、恋の前ではみな平等ということで。 ん?じゃあ、愛の前では、そーじゃない?かも。 しかし。 マシマロ小松崎君の、「狙い澄まして誤手を打つ」、 これ、私のこ…

『兎の眼』  灰谷健次郎

『兎の眼』 灰谷健次郎 いつのまにか、号泣きしながら読んでいた。 ぬるま湯の頃からクラゲのように浮遊しているので、 あらゆるものが過剰に沸騰している現今の複雑怪奇な熱湯の中でも まったく無頓着に生きている方だと思う。 こっちはあっちへ、そっちは…

「溝口健二の神話1〜4」

日経新聞 2009.2.1(日)付〜 毎週日曜4回連載 荒々しい黒澤より、潔癖な小津より、女々しい溝口が好きである。 アポロン的な黒澤よりディオニュソス的な溝口の方がそそられると言いましょうか...。 学生の頃、映画論の講義でよく語られていた、溝口健二の特異…

『寒椿』 宮尾登美子

苦界に投げこまれた女の宿業、かくありきということで。 素人と玄人の境界線がこんなにも深い溝だったのはいまや昔の話で。 ありえない空想物語より、むかしあった怖い話を追体験する方が スキみたいです、わたし。 寒椿 (新潮文庫)作者: 宮尾登美子出版社/…

『セーヌの川辺』 池澤夏樹

フランスの景観維持のところに深く共鳴。 ある意味、共和国だからそれができるとか。 さすが、フランス革命の国、 民衆自らが蜂起して自由を勝ち取っただけあって、 景観維持は、私たちが官吏に任せてる仕事という 確固たる自負があってこそはじめて、 その…

『史上最強の人生戦略マニュアル』フィリップ・マグロー著, 勝間和代

『史上最強の人生戦略マニュアル』フィリップ・マグロー著, 勝間和代翻訳

『起きていることはすべて正しい―運を戦略的につかむ勝間式4つの技術』勝間和代著

QUE VOYEZ-VOUS?

QUE VOYEZ-VOUS? さて、今年は、何が、見えるのか....