「愛の果てへの旅」パオロ・ソレンティーノ監督 2004年

「愛の果てへの旅」パオロ・ソレンティーノ監督 2004年

現代イタリア映画というふれこみで食指が動く。

トニ・セルヴィッロっていう主役のオジサンが、
すごくとは言わないが、まあほどなくいい味出してやってますよ〜
というのがひしひしと伝わってきます。笑
男優賞ももらったみたいだし。

自分のエキセントリックな運命に素直に向き合うことに決めたんだろうが、
その運命への処し方が、妙に小市民的な節度を保っていて、
そのアンバランスさが見どころか。
十数年も軟禁状態なのに、ヤケにならずにモルヒネは月1回とか。
そうやってなんとか均衡を保とうとしながら、
徐々に崩れていく過程が観察記録のようにラストまで淡々と続く。

だから邦題の「旅」って訳語にはちょっと違和感。
旅っていうほど情緒的ではないように思う。
原題は
「Le conseguenze dell'amore/The Consequences of Love」
とあるように、これは、単なるシーケンスなのかもしれない。