『霧の旗』 松本清張

『霧の旗』 松本清張

ほとんどゴネ得の女に土俵際までジリジリと追い詰められ、
あげく、ここ一番の踏んばりどころで
あっけなくコロンと寝技を仕掛けられてしまう弁護士先生...。

社会的弱者に徹底的にこだわる清張大先生のやさしいまなざし...
なワケはなく、むしろやさしさが勢いあまって反転、
か弱き女の図太い根性と成功者の臆病の対比が読みどころか。
たんなる正統派の復讐劇でない分、正直、コワいです。
市川海老蔵の演技が楽しみ。
→日テレ「生誕100年2週連続松本清張スペシャル」


黄ぃばんでほとんど茶色になってる古本で読んだからなのか、
昭和のレトロな雰囲気にどっぷりひたれました。
「銀座のバア」ってゆう表現がなんともレトロ。



短編の「カルネアデスの舟板」でも、
一介の大学教授が通いの女中に寝技をしかけられたりして、
意外とよく出てくるこのパターン。
清張作品、ぞくぞく読破中!

霧の旗 (新潮文庫)

霧の旗 (新潮文庫)