『霧の旗』 松本清張
『霧の旗』 松本清張
ほとんどゴネ得の女に土俵際までジリジリと追い詰められ、
あげく、ここ一番の踏んばりどころで
あっけなくコロンと寝技を仕掛けられてしまう弁護士先生...。
社会的弱者に徹底的にこだわる清張大先生のやさしいまなざし...
なワケはなく、むしろやさしさが勢いあまって反転、
か弱き女の図太い根性と成功者の臆病の対比が読みどころか。
たんなる正統派の復讐劇でない分、正直、コワいです。
市川海老蔵の演技が楽しみ。
→日テレ「生誕100年2週連続松本清張スペシャル」
黄ぃばんでほとんど茶色になってる古本で読んだからなのか、
昭和のレトロな雰囲気にどっぷりひたれました。
「銀座のバア」ってゆう表現がなんともレトロ。
短編の「カルネアデスの舟板」でも、
一介の大学教授が通いの女中に寝技をしかけられたりして、
意外とよく出てくるこのパターン。
清張作品、ぞくぞく読破中!
- 作者: 松本清張
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1972/02/01
- メディア: 文庫
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