『秀吉の枷』 加藤廣

『秀吉の枷』 加藤廣

今年の夏休み本。
普段読まないものをということで。


成り上がり者の立身出世物語....じゃあ全然なく、
ミステリー仕立てでトントンと話が進んでゆく。
さすが、もとビジネスマンだけあって、歴史小説にありがちな
壮大なロマンとか一方的な思い入れなど、一切感じさせない、
ある種、ドライな読み心地。笑


信長の棺』もこんな感じならぜひ読んでみたいものである。


それにしても、ずいぶん面白い言い回しがでてきた。
「お衾ご免(おぶすまごめん)」とか「席直し(むしろなおし)」とか。
他にもまだまだいっぱいあったような気がするが、
妾の隠居や後妻のことを指す言葉。
ころころとひっきりなしに嫁や妾をリサイクルするから、
こういう普請の用語を使うのだろうか。面白い。


秀吉の枷 上 (文春文庫)

秀吉の枷 上 (文春文庫)