『マネジメント-基本と原則』P・F. ドラッカー著

『マネジメント-基本と原則』P・F. ドラッカー


原著は1974年刊行だから、軽く、30年以上も前の、しかも抄訳版。
日本がまだ、グローバルではなかっただけに、
日本企業におけるマネジメントについては、
わしゃさっぱりわからん的な、
まったくもって不可解ではあるが的な、
困惑したエクスキューズがそこかしこに垣間見えていて、
ドラッガー、正直でええ奴やんか!って
思わせるところが、昨今の人気の秘密か?


そんな、なんともかわいらしいところもあって、
なんとか私は最後まで読めました。
ちょいと難しい本は、どんだけ、おもろいとこを
発見できるかにかかっている。
ある意味、そういうのがスキな私にはうってつけかも。


で、以下、クスっと笑ったおもろかったとこ。

(日本型マネジメントは)強力なリーダーを育てるようには見えない。凡庸なために選ばれ、波風を立てない小心なものを育成するうえで理想的に見える。わずか20年の間に世界2位の経済大国を築いた独立心に富む攻撃的なトップマネジメントが、この制度で生み出されたとは信じがたい。


(マネジメント開発はエリート探しではない。そんなことをしていたら)選ばれたエリートの半分は、40代にもなれば、口がうまいだけだったことが明らかになる。


組織の目的は、凡人をして非凡なことを行わせることにある。天才に頼ることはできない。天才はまれである。あてにできない。


成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。


とはいえ、ちゃんとためになった部分もありました。
公的機関の成果についての章。
こんな昔から、公的機関の不振の原因を論じているなんて、ちょっと驚きだが、
ドラッガーの論法は、さすが古典、目からうろこでした。



マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則