『孤高の人』 新田次郎著

孤高の人新田次郎

「ザ・男の小説」という感じ。
甘えも驕りもいっさい許されない、
過酷な世界の美しさに魅入られてしまうと、
ある種の人は、それに対峙するにふさわしからんと
嬉々として己を律することに情熱を傾けてしまう。


一本道の恐ろしさというのだろうか、
なにもそこまで、と人は思うかもしれないが、
そうやってしか開けない道も、
この世にはあるということを、強く思い知る。


その昔、登山は上流階級や知識人のみに限られた
エリートスポーツで、一般庶民が行うスポーツでは
なかったのだそうだ。


清濁併せ呑んで日々、アウフヘーベンしている、
私のようなおちゃらけた女にはよいクスリかもしれない。

孤高の人(上) (新潮文庫)

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孤高の人(下) (新潮文庫)

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